続・愛のニワトリ劇場
彼は今日も威張りまくっていた。
なぜならそれがボスたる彼の特権だからである。
通りすがりの怪しい女がたまにほうりこむお菓子は
当然、全て彼のものである。
彼の目を盗んで食べようものなら、必殺「オスカーキック」を喰らってしまうのだ。
まさに傍若無人の暴れぶりである。
ところがそんな彼にもある変化が起こっていた。
まだ半分ひよこのトロくさい新入りの雌鳥「アンジェリーク」である。
彼女の足の速さでは当然お菓子にありつけようはずはない。
「これは俺の戦利品なのである。」
「この群のボスである俺以外のものが口にはできないものなのだ。」
「それをほいほい他の奴に譲ることは、ボスのこけんに関わるのだ。」
彼はなにやら葛藤していたようだ。(その時間、約2分)
そして……
なんと、「アンジェリーク」の目の前で
滅多に口にできない甘いお菓子を
さも、「おっと、落としちまったぜ」と言わんばかりに
ぽろりと落としたのである。
「……このツケは高くつくんだからなっ……」
「早いとこ大人になってもらって、俺のたまごを産んで返してもらうつもりなんだから……。」
「……だけど、いつになったら大人になってくれるんだろう……。」
早く、「アンジェリーク」が大人になるのを待ち続けることにした「オスカー」なのだった。
☆
おしまい
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次回は(あるのか、ほんとにあるのか)オスカーさまついに押し倒し!
はたして……。