続・愛のニワトリ劇場

 

彼は今日も威張りまくっていた。

なぜならそれがボスたる彼の特権だからである。

通りすがりの怪しい女がたまにほうりこむお菓子は

当然、全て彼のものである。

彼の目を盗んで食べようものなら、必殺「オスカーキック」を喰らってしまうのだ。

まさに傍若無人の暴れぶりである。

ところがそんな彼にもある変化が起こっていた。

まだ半分ひよこのトロくさい新入りの雌鳥「アンジェリーク」である。

彼女の足の速さでは当然お菓子にありつけようはずはない。

「これは俺の戦利品なのである。」

「この群のボスである俺以外のものが口にはできないものなのだ。」

「それをほいほい他の奴に譲ることは、ボスのこけんに関わるのだ。」

 

彼はなにやら葛藤していたようだ。(その時間、約2分)

そして……

なんと、「アンジェリーク」の目の前で

滅多に口にできない甘いお菓子を

さも、「おっと、落としちまったぜ」と言わんばかりに

ぽろりと落としたのである。

 

「……このツケは高くつくんだからなっ……」

「早いとこ大人になってもらって、俺のたまごを産んで返してもらうつもりなんだから……。」

「……だけど、いつになったら大人になってくれるんだろう……。」

 

早く、「アンジェリーク」が大人になるのを待ち続けることにした「オスカー」なのだった。

おしまい

次回は(あるのか、ほんとにあるのか)オスカーさまついに押し倒し!

はたして……。

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