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NAME : 霧島ちあき / TIME : 2006/06/09 (Fri) 20:52 BROWSER : Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0) 「おかえりなさい」 いつの頃からか、うちの副長の速水は艦にもどるたび俺にそう声をかけてくるようになった。 速水は有能な副長だ。 艦の細かいところまで気がつくし、多少、口うるさいが引くべきところはちゃんとわきまえている。 ちぃとばっか変わってる気もするが。 「速水副長は艦長に気があるんじゃないですか。」 |
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NAME : 霧島ちあき / TIME : 2006/06/08 (Thu) 20:21 BROWSER : Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0) その夜、久しぶりに父の夢を見た。 そういえば、昔こんな夢を見ていたのだと夢の中で思った。 帽子を目深にかぶり少しくたびれた上着を着て父はこっちに歩いてくる。 俺は子供の姿で、父に向かって必死になって駆け寄る。 (お父さん、お父さん) どうしてずっと帰ってきてくれなかったんだ、と父の上着にしがみつく。 (‥そりゃあ、お前、お前が俺を忘れたから。忘れようとしていたから) 母の葬儀の日以来、父の夢は見なくなった。 幽霊でもいいと思った父は母の方便で、自分の作り出した幻のようなものだ、そう思おうとしていた。 (‥だけど、お前はまた俺を思い出してくれたんだなぁ) 夢の中の父は大きな手で顔を上着に押し付けたままの俺の髪をくしゃくしゃと乱暴にかきまわす。 どうして忘れていたんだろう、この手の大きさを。 (本当のお前は大きくなったんだろう? 俺が必要でなくなるくらいに。 幽霊にできるのはここまでだ。 もう、俺がお前にしてやれることは何もない。 それじゃ、俺は行くから。) (‥待って、置いてかないで!連れて行って、お父さん!) ずっと、貴方を探していた。 だから海に出た。貴方を追いかけて‥ 「しょーがねぇなぁ」 思わず俺は顔を上げる。 これまで顔を上げたらそこには真っ暗な穴のようなものがあいていて見ることができなかった父の顔。 それがいやでいつもディーゼルと煙草の匂いの上着に顔をうずめていた。 それをわすれて見上げた父の顔は 「‥艦長‥?」 いつのまにか子供の姿だった自分は今の姿となり、父と思っていた幻は艦長の姿になる。 ここは‥たつなみだ‥ 「何ぼやっとしてるんだ。すぐ出航だぞ。」 「‥あ、はい、了解」 夢の中で自分の持ち場に走る。 走りながら、もう今度こそ本当にあの父の夢は見ない気がした。 父の顔はもはや空虚な空洞ではなく、幻は現実と重なった。 俺の中で船幽霊はその役割を終えたのだ。 【とりあえず、了】 |
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NAME : 霧島ちあき / TIME : 2006/06/08 (Thu) 18:14 BROWSER : Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0) 昨日、偏光サングラスが出来上がったので受け取りに行きました。 なぜなら本日は水仕事だから。 ぎらつく太陽、まぶしい水面、照り返しがええもうゆらゆらと私を襲うため、この手の仕事の日は大抵気分を悪くする私。 しかし、今日は違う! この偏光サングラスを装備して望むのだ! いや、もうその威力ときたら 一定方向からの光しか受け付けないので水面の照り返しが一切見えず水中がすっきりくっきり、ええもう沈む草加少佐まで見えてしまいそうでしたよ。 すばらしい、偏光グラス! |
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NAME : 霧島ちあき / TIME : 2006/06/07 (Wed) 22:57 BROWSER : Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0) 基地の入り口ちかく、建物内に入ることはなくあまり人目につかないところで父の秘書は立っていた。 「先日の話ですがそろそろお返事をいただけませんか。」 会ったこともないどこかの代議士の娘との縁談。 妾腹であっても血縁は血縁、代議士同士のつながりを強くするのに使えるのであればどうとでも出自はごまかせるのだろう。 「その話は先日お断りしたはずですが。」 「相手の方がたいそう乗り気なのですよ。それと先生も今回の縁談を機に自衛隊勤務を辞めるよう勧めていらっしゃいます。ポストはこちらで用意いたしますから。」 平和主義を前面に打ち出している父としては息子が自衛官ではまずいというわけだ。 「こちらのほうで辞めていただくように手配することもできるのですが、できれば辞職と言うほうがなにかと円満にことは進むと思うのですよ。」 冗談じゃない、母が亡くなった時、父は自分を認知もしていなかった。 自分にはもはや家族はいない。 自分のいるべきところを探して海まで来た。 海に行けばきっと自分の居場所があるはずだという漠然とした想い。なぜなら海にはいるはずなのだから‥‥ 「‥誰が‥?」 思いをめぐらせて、ふと思った。俺は誰かを探していた? まるで幽霊のような漠然としたイメージ 母が死んで以来、見ることがなくなった夢 いや、父の存在を知って以来、打ち消しながらも心の奥底で探しつづけてきたディーゼルと煙草の匂い 「おい、速水」 |
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NAME : 霧島ちあき / TIME : 2006/06/06 (Tue) 22:24 BROWSER : Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0) ★Continue 憲法改正して同性結婚禁止だって わー速水の人生設計が狂っていく いや、狂ってるのは私の頭 |
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