「天使の告知」 第4話

 

「ど…どうしよう。」

大きな碧の瞳をもっと大きく見開いて

アンジェリークは今にも泣き出しそうです。

女の子の涙にはめっぽう弱いオスカーがうろたえたところに

 

ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜っ

 

「…ごめんなさい…。朝から何も食べていないんです。」

 

 

「それで、これからどうしようか。」

オスカーが切り出すと

とりあえず食べるだけ食べて人心地ついたアンジェリークが

恥ずかしそうに小さな声で答えました。

「はい、まだ12月21日まで1週間ありますから

それまでに心当たりを探そうかと思います。」

「それまでどこにいる気なんだ?」

日中は温暖でも夜になると急激に冷えてきます。

それにこのよく食べるチビ天使が1週間も

一人でこの界隈を飛んでいるなんて危険この上ないと

オスカーは思いました。

「…よかったらそれまでうちに来るかい?」

「問題は家の者にどういうかだよな。」

「ご心配なく。私はいってみれば真昼の星のようなものですから。

メッセージを届ける相手にしか姿は見えません。」

「真昼の星?」

「はい、真昼にも本当は空には星が輝いているんです。

あまりに空が明るいから見ることはできませんが

空には星があるように

私が確かにここにいても、人がそれを見ることはできないのです。」

何だか分かったような、分からないようなことを言って

チビ天使はちょこんとすわっているのでした。

 

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