「天使の告知」 第4話
「ど…どうしよう。」
大きな碧の瞳をもっと大きく見開いて
アンジェリークは今にも泣き出しそうです。
女の子の涙にはめっぽう弱いオスカーがうろたえたところに
ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜っ
「…ごめんなさい…。朝から何も食べていないんです。」
「それで、これからどうしようか。」
オスカーが切り出すと
とりあえず食べるだけ食べて人心地ついたアンジェリークが
恥ずかしそうに小さな声で答えました。
「はい、まだ12月21日まで1週間ありますから
それまでに心当たりを探そうかと思います。」
「それまでどこにいる気なんだ?」
日中は温暖でも夜になると急激に冷えてきます。
それにこのよく食べるチビ天使が1週間も
一人でこの界隈を飛んでいるなんて危険この上ないと
オスカーは思いました。
「…よかったらそれまでうちに来るかい?」
☆
「問題は家の者にどういうかだよな。」
「ご心配なく。私はいってみれば真昼の星のようなものですから。
メッセージを届ける相手にしか姿は見えません。」
「真昼の星?」
「はい、真昼にも本当は空には星が輝いているんです。
あまりに空が明るいから見ることはできませんが
空には星があるように
私が確かにここにいても、人がそれを見ることはできないのです。」
何だか分かったような、分からないようなことを言って
チビ天使はちょこんとすわっているのでした。