「天使の告知」 第10

 

「オスカー」

涙でかすんだ目に光が飛び込んできます。

アンジェの手に握られた白い珠から発する光は強く輝き

部屋の中を明るく照らしました。

「オスカー、次なる炎の守護聖よ。よく聞くがよい。」

ふわりと浮いたアンジェリークの体は白く輝き

その口からは女王の声が響きます。

「…天の…女王様…?」

 

「オスカー、そなたは次の炎の守護聖として選ばれた。

18の歳になったときそなたは聖地に召還される。」

守護聖?聖地に召還?

オスカーの頭の中に鳴り響く鐘のような女王様の言葉が響きます。

「18の歳になるまでにそなたは知らなくてはならない。

この地上にある本当のもののことを。

本当に美しいものは目では見えない。

ちょうど真昼に空の星がみえぬように。

だが、守護聖として人々を導く者となるそなたは

それを見ることができなくてはならない。

感じることができなければならない。

なぜならその目には見えぬ本当のものを守る強さがそなたのサクリアなのだから。

それこそが世界より課せられた炎の守護聖の役割なのだから。」

 

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