天使の告知 第1話

 

聖地では女王陛下が宇宙の様子を見守っていらっしゃいます。

「お呼びですか。女王陛下。」

ぱたぱたと飛んできたのは両手に乗るくらいの大きさのチビ天使です。

一生懸命飛んできたのか小さな羽をせわしなく動かして

息を切らせています。

「ああ、アンジェリーク。使いを頼む。」

「何なりと!女王陛下!」

張り切った声で答えたアンジェリークの金色の髪がゆれ

大きな紅いリボンが跳ね上がります。

 

 

「今から1週間後、12月21日に、この者のところへ伝言を頼む。」

ぱちんと指を鳴らすと空中に浮かんだ白い珠に

伝言の相手の顔がうつりました。

「子どもですねー。」

自分はもっと子どもであろうと笑いをこらえながら、女王陛下は続けます。

「ああ、そうだ。今はまだ子どもだがじきに大きく強くなる。」

意志の強そうな氷蒼の瞳

燃えるような赤い髪

「承知しました!それではメッセージをお届けに参ります!」

チビ天使は大好きな女王陛下から、

メッセージをしるした手紙を受け取りました。

「行って来まぁーす!!」

「元気がよろしいこと。」

「ディア。

いつの間にかピンクの髪を束ねた女王補佐官がにこにこと立っていらっしゃいます。

「あの子もこのお使いが最後になるかと思うとちょっと寂しい気がしますわ。」

「ああ、しかし…。」

「何か心配事でも?確かに、あの子は陛下のお気に入りの子ですからね。」

「…ちょっと、そそっかしいのだ…あの子は。無事すめばいいが…。

 

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