明治神宮は大変涼しく、木の匂いがむんむんで、それはそれはスピリチュアルな雰囲気いっぱいでした。
しかし、めちゃめちゃ広いんだもん
いつまで歩いても正殿に着かないよぅ
病気が落ち着きますようにとお祈りしようと来たのですが、そもそも私ってこんな歩いていいんだっけ？

正殿でお参りして、
病気が落ち着くように祈願して
おみくじひいて
それじゃ話題の清正井にいってみようかね

…あほですねー東京の人口なめてますね
そんな話題のスポット、大行列ですよ。
あとで調べたら最大５時間待ちだそうです。
そんなことも知らず、てくてく噂のスピリチュアルスポットへ。
幸い私が並んだ時はそんなに人はいなかったのですが、５分くらいして振り返ると最後尾が見えない。
すごい、すごすぎるよ、東京のスピリチュアルスポット！
そんなところをふらっとやってきて待ち時間２０分って私よ、どんなVIP

それにしても写真を撮るといいらしいのですが、そこに人物画はいるとダメらしいです。
とはいうものの、みんな井戸にくいいるようにケータイ構えてるし、それは大変難しいですな。
私の前のお嬢さんなぞ、何枚もケータイでとっては画像をチェック、そして祈る
そのあとデジカメ持ち出して同じく何枚もとって画像チェック、そして祈る
終わったか、と思ったらポケットからパワーストーン取り出して洗い出す、そして祈る
さらにリュックからペットボトル出して…

一体何をそんなに祈りまくっているのか
彼女はもしかしたらこの帝都東京の安泰を祈る陰陽師なのかもしれん
清正井で彼女はなにかスピリチュアルなものと会話してるのかもしれない…ただ、彼女の祈りが終わるのを待ち続ける周囲の人たちのかもしだす空気と対話することはできなかったようですが…
帝都東京を守るというのは大変な荒行ですなぁ

しかし、未来のある若者と違い
老い先どころか、この先からだが動かなくなるやもしれぬ身としては、こんなところでこれ以上時間はとれぬ！
何より後ろの空気にたえられーん！
と言うわけで、
「すいませーん、もういいですか？」
と、水に手つっこんで洗ったあと
とりあえずリウマチで痛くなりそうなところにぱっぱと水滴かけて、とっとと終わらせてしまいました。

「男祭って感じですね」

いやっほう！大崎さんに座布団一枚！
いやもうまさに男祭

他にもゴッホの自画像を見て
「顔にさぁ緑の線でこう目のあたりに集中線みたいになってるね」
「あーグレンラガン思い出しちゃった
　永井豪がよくこんな顔の影描くよね
　これで瞳がぐるぐるだったら…って、
　マジ、ゴッホの目ぐるぐるやん…」
と、永井豪とゴッホの意外な共通点を見つけたり

「この絵さぁ、タイトルがすでに『セザンヌ礼賛』
　この絵の作者、セザンヌ大好きだったんだねぇ
　そんでもって画家の友達がぐるっと囲んでるのって
　これっていわゆる
　『手塚治虫礼賛のトキワ荘のゆかいな仲間達』じゃ？」
「すると、この人達はセザンヌファンクラブ」
「やっぱり才能がある人には影響されるしねぇ
　セザンヌの『黄色いキリスト』と同じ構図、同じ色彩の絵がこの会場だけでも２点はあるよ。」
「世が世なら、ネットの検証サイトで『パクリだ』と言われたんだろうね」
「よかったねぇ、世が世じゃなくて。
　名作つぶされちゃうよね。」

こんな感じで延々見て回っていました。
気がつくと２時間
今回は人が多いので１回しか回っていないのに…！
（いつもは２回くらい往復してむさぼり尽くす）
めまいがしそう

そして、今回一番楽しみにしていたのはルソー
ルソー２点だけで１コーナーできていましたが、「戦争」も「蛇使いの女」も本当にすごい迫力でした。
平面的な絵でありながら、存在感の強さときたら
特に人物の目力がすごい。
暗闇に黒い肌、ぽっかりと浮かぶ目
ちょっとまえの山姥メイクのコギャルじゃありませんよ！
そんなチョロい連中、この妖艶な美女の目力の前では光子力ビームを浴びた機械獣のごとく粉砕されたことでしょう。