「サニーサイド」のあっちょんさんからいただいたお中元

「お帰りなさい」

 

「わかった。しかし、無理をしてまで手伝う事はない。だから今後エルリックに迷惑がかからないように注意はさせてもらう」

「迷惑だなんてそんな。本当に楽しかったです。おじいちゃん猫のソクラテスも練り餌を手から食べてくれたし、プラトンなんか家事してると背中に飛びついてくれるんですよ」

「ああ、アイツらは人の迷惑は考えないから」

「おかげで背中に爪痕がいっぱいつきました。でも可愛いから許しちゃうんですよね」

 

スカー自身もされるが、それは猫の甘えであることは知っている。
だから無下に怒ったり振り払えないし、こんな強面の大男な己に懐いてくれて可愛くもある。

 

「猫っていいですね・・・人の顔色考えないで、自由気ままに思い通りに行動できるなんて・・・羨ましい」

「羨ましいだと?それはエルリックと同じだ。勝手に遊園地の約束をして連れていかれたり、うちに突然押しかけて家出をして泊まりにきたりするのはどうなのだ」

「あ、本当だ。スカー先生にはなんか出来ちゃうんだよな。なんでだろう?」

「知らぬ。そんな事してくる奴など、兄とエルリックしか今まで居ないからな」
「そうなんだ。へえ・・・」

 

にまにまと嬉しそうに笑っているアルフォンスに幾分恥ずかしさを憶えて、またスプーンを取り食事を開始する。

 

その5に続く