カフェテラスの恋人編

 

 

オスカー様はじっと私の顔を見ていたんだけど、にやりと笑うとこういったの。
「カプチーノを飲むときは飲み方に気をつけないと
ヒゲができるって知ってたか?」
え?…もしかして、私いま…いや〜〜ん!
慌ててハンカチを出そうとする私のあごを引き寄せると
オスカー様はいきなり…

 


「ヒゲにはなってないぜ。唇についているだけだ。とってやろう。」
とってやろうって、ちょ…ちょっとオスカー様
…ここはカフェテラスで、人が見て…
っ …あ…だめ…舌まで入れてきちゃ… みんな…見てる…
手首に力が入らなくなって、手に持っていたカップが揺れて
クリームが飛び散った。
「なんだ、胸のところにまで泡がついてるぜ。」
…え…?あ…!だめ、だめーっ!
こんな人前で…それだけはゆるしてぇ!いやーっ!

「これより下の方はさすがにここではまずいな。
そこに馬を用意してある。 …
あとは俺の屋敷で…」
よ…よかった…こんな所で胸元にまでキスされるのを見られたら…
ほっとしたら力が抜けて、オスカー様にうながされるまま
ふらふらとテラスを出たけど…

「…いまの…オスカー様と陛下だよな…」
「ええ…そうだと思います…」
コレットとランディ様の声が聞こえる。二人ともこのテラスにいたんだ…
「あれが大人のキスっていうのかな…」
「………」
「で…でようか…」
「そ…そうですね…」

…ああ、もうどうにでもして…

 

END


 

 

 

 

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