公園プレゼント争奪戦編

 


「ほな、かる〜くですさかい。」
…そう、かる〜くだもの、そんなの挨拶と一緒だもの。
…オスカーさまとのキスとは全然違う軽いキス…

「だめ!やっぱりそんなのできない!」
私はチャーリーさんを突っぱねた。
そのあと、どんどん涙がこぼれてきてとまらなかった。
「あ、あ、すんまへん。そんなつもりやなかったんですけど…」
あなたは悪くないの、自分がイヤなの。
他の人とキスして手に入れた贈り物をオスカー様にあげようなんて
一瞬でも思った自分がイヤ。
あの方は誇り高い方だから
そんなことをしようとした私ときっと軽蔑するわ。
「…果報もんですなあ、炎の旦那はんは。陛下にそこまで想われて。
大丈夫。旦那はん踏みとどまった陛下を責めたりしません。
正直、ほっとしました。
もし、このままホンマにちゅーしたら、あとで旦那はんに殺されますさかい。」
チャーリーさんにそう言われてちょっとだけ心が軽くなった気がした。
「今日は炎の旦那はんの大事な日でっしゃろ。これ、お売りしましょ。」
「でも…今日は持ち合わせが…」
「陛下の心意気を買わせてもらいましたんでそれと交換です。」
チャーリーさんはきれいにラッピングされた包みを渡してくれた。
でも、中身はなんなのかしら。
「中身は確か『天使の像』やったと思います。包みあけますか?」
「いいえ、こんなにきれいに包んであるのにほどくわけにはいきません。
ありがとうございます。」
「いえいえ、それじゃあお気をつけて。
せや、旦那はんたしかお屋敷の方に戻る言うてましたで。」
「本当ですか!?」
私はチャーリーさんにお礼を言うと、急いでオスカー様のお屋敷に向かった。
「…ええなあ、炎の旦那はん。
わいもあんなええ娘さんと恋に落ちたいもんや。
…あれ?この包み…しまった、間違った…!
どないしょ〜…まあ、ええか…」

オスカー様のお屋敷についたときはもう夕暮れになってたんだけど、
よかったオスカー様怒ってはいないみたい。
「お嬢ちゃんを待つのは慣れっこだ。」
なんだか、安心していいんだか、悲しんでいいんだか。
オスカー様とご一緒に軽くお食事を頂いて、
そのあとお部屋にあげて頂いちゃったv
「オスカー様お誕生日おめでとうございますv」
ようやく渡せたプレゼントの包みをオスカー様があけたんだけど…
何…これ…「天使の像」じゃない。
包みから飛び出したのはその黒いレースがあしらわれた
ハンカチじゃなくてこれって「魅惑の黒レース下着」!?
「…これは…どういう意味に取ればいいのかな…?」
どっ…どういう意味になっちゃうのかしら…
目を白黒させている私を見て、
オスカー様はどうやら包みを間違えたらしいことには気づいたはずなのに
わざと聞いてる〜〜〜!!口の端が笑ってるわ〜〜っ!!
「せっかくの頂き物だか、俺が身につけるものとはどうやら違うようだぜ。」
間違えました、と正直に言おうにも
まさか公園でのいきさつを話すわけにもいかないわ。
ぐるぐる回っている私に「魅惑の黒レース下着」を手渡すと、
オスカー様ったら「これは渡し方を間違ってるような気がするぜ。
こういう物はちゃんとお嬢ちゃんが身につけた状態で渡してくれ。」
それって、それって〜〜〜〜っ
「お嬢ちゃんを待つのは慣れっこだが、チャンスは逃さない主義だ。
ここまできてまたまた待たされるのはなしで頼む。」
あああああ…、もう、断ることもできない…
私は覚悟を決めると包みを受け取った。

「よく似合ってるじゃないか。」
オスカー様なんだかすごくうれしそう…
私は恥ずかしくて座りこんでるんだけど、
オスカー様がうれしそうだとちょっと安心する。
「それじゃ、早速受け取らせてもらおうか。」
…って、いきなりオスカー様が抱きついてきて…
ちょっと、オスカー様〜っ!
「この下着は俺への贈り物なんだろ。有り難く頂戴させてもらう。」
じたばたしている私の腰にオスカー様の手が伸びてきて
そのままショーツの紐まで下がるとほどき始めてる。
押さえつけられてブラのストラップは下がってくるし…きゃーっ!!

 

 

「こういうものの正式な渡し方はこうなんだぜ。」
せ…正式も何も…
「問題はどうして君が こういうプレゼントを
わざわざ包みに入れて届けたかだな。
間違ったにしても、そのいきさつを聞かせてもらいたい気がするな。」
そ…それだけは言えません〜〜〜っ!
「こういうことは身体に聞くのが一番だ。
さーて、夜は長い。ゆっくり聞かせてもらおうか♪」
あああ、どうしよう〜、ホントのことを言わずに一晩たえられるかしら
…もし、話しちゃったら…

今度はおしおきだわーっ!

 

END

 

 

 

 

 

 

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