「きゃあああぁぁぁぁぁ!」
「女王覚悟!」
もうだめ…!オスカー様…
「アンジェリーク!」
この声は…
「あんまり遅いから様子を見に来たら…
レヴィアス…まだ生きていたとはな。
陛下に仇なすことはこの炎の守護聖がゆるさん!
アンジェリークに指一本ふれてみろ、刀の錆にしてくれる。」
オスカー様…私はへたへたと座りこんでしまった。
私を背にかばって剣を抜くオスカー様は
本当に物語の中で読んだ騎士様のよう。
「く…っ、女王命は預けておくぞ。」
レヴィアスは空中高く舞い上がるとそのまま消えてしまったわ。
「大丈夫か、アンジェリーク。」
振り返ったオスカー様はさっきとはうってかわってどこか不安そうで、
いきなり強く私を抱きしめた。

「君に何かあったらと思ったら…心臓が止まるかと思った…。」
私を背に守って闘われている時もドキドキしたけど、
こんな風に胸に庇われて抱きしめられていると
もう私の心臓の方が止まりそう…
「…オスカー様…ありがとうございます。」
私はそっとオスカー様の背中に手を回す。
オスカー様の心臓の音が私の耳に響いて、
それがまた心地よくて…
「オスカー様…大好き…」
私の呟いた声が聞こえたのか、聞こえなかったのか
オスカー様はそのまま私のあごを持ち上げると
そっと唇を重ねてきた…
END