「幻獣の楽園」 

高瀬美恵先生の角川豆文庫
今回は由羅先生の描き下ろしイラストはないんだけど
オスカー様が強烈にかっこいいの

も〜そのとおり、おっしゃるとおりと
膝をたたきまくっちゃったわ!
オスカーファンにはたまらない一冊ともいえるわね。
そのすべての魅力を伝えるのは無理だけど
ざっとこんな感じなのよ。

ただし、豆文庫の世界はまだ前女王の時代だから
アンジェリークはまだ登場していないのよ。
でも、ここはオス×アンサイト
この位のオスアンフィルターはゆるしてね〜んv

 

 

「ランディ様、急にお呼びだてしてすみません。」
 ここは女王謁見の間。金の髪の女王様、アンジェリーク・リモージュ陛下がお召しになった風の守護聖様にお声をかけているわ。一体何事が起こったのかとランディ様も心配そうね。
「実は惑星カイサスの領主、アクエル様から抗議文が聖地に届いていますの。かなり感情的な文章でとても陛下には直接お見せできないのですが、なんでも炎の守護聖オスカー様から暴行を受け、お顔に傷をおった…とおっしゃるのですわ。それでご一緒されていたランディ様から事情をお聞きしたいと思いましてこうしてお越しいただいたのですわ。」
有能な女王補佐官ロザリアが事情を説明したわ。
「あれは…惑星カイサスの『幻獣の楽園』事件ですけど、オスカー様はそんなひどいことはしてません。それにあれはカイサス領主のほうが…」
 惑星カイサスは領主の意向により急激な開発が進み、そのせいで生態系が大きく崩れ始めていたらしいの。その影響でラポウとよばれる固有種が暴走を始め、惑星の村が大きく被害を受けたのよ。もっともラポウの暴走にはたまたまリゾートにその惑星を訪れていたランディさまたちも関わっていたのですけど。まあ、そのラポウの暴走を止めるためオスカー様が聖地から呼び出されたのね。
「とにかく、あのアクエルって領主はきざったらしい口調で自信過剰で女の子を見るとすぐくどきはじめるとんでもない人なんですよ。」
「…その形容って…その…オスカー様に異様に似てるんですけど…」
ロザリアが引きつりながら答えたわ。
「とんでもない!オスカー様の方が100倍…100万倍かっこいいですよ!第一、オスカー様はあんなに悪趣味な服装はしていないし、あんな似合っていないへんてこなちょび髭ははやしてません!頭のねじもゆるいし…」
アンジェリークがすこしほっとした表情になって、でもすぐ心配そうな表情尋ねられたわ。
「でも、ランディ様、オスカー様がそのご領主様に剣を向けてケガをさせたというのは本当なのかしら。」
「ケガと言ってもあの悪趣味なちょび髭をちょこっと切り落としただけですよ。あの領主はさんざん俺達を侮辱し続けてたんです。オスカー様はそんなのほとんど気になさらなかったんですけど、陛下のことまで…だから、オスカー様はお怒りになったんです。 」

 カイサスの領主アクエルはラポウの暴走をくい止めるためにわざわざやってきたオスカー様を前にふんぞり返りながらこう言ったのよ。
「守護聖などに私が恐れ入ると思ったか。女王だろうが守護聖だろうが、ほんの小娘に青二才ではないか。この星では私の方が偉いのだ。ちょっとばかり尊敬されているからと言っていい気になるな。」
 はじめは黙っていたオスカー様ですけど、やおら剣を抜かれるとその切っ先をバカ殿…もとい、領主に向けて静かにおっしゃったのよ。


「守護聖というだけでやたらすくみ上がる人間の多い中でお前のような強気な態度はなかなか見上げたもんだが、どうにも許せんことがあるんだよ。俺を軽んじるのはかまわんが陛下を引き合いに出した言葉は直ちに取り消せ。陛下はお前をふくめた世界のために民のために祈り、慈愛にみちた翼で世界を支えているんだ。色々なものを犠牲にして。お前の言うほんの小娘がだ。そのご恩を忘れてはいかんな。おれはあの健気でひたむきな女性に無礼をはたらくものは何人たりとも許せないんでね、ご領主様。」
そのまま軽く剣の切っ先を滑らせると悪趣味きわまりない口ひげがはらりと片方落ちたわ。おーほほほほほ、いい気味ですわー。

「とまあ、こう言うわけだったんです。オスカー様は陛下の名誉のためにお怒りになったんです。」
 ランディ様が説明を終えると、陛下はちょっと涙ぐんでいたようね。
「でも、ラポウの暴走は大丈夫だったのかしら。報告ではうまく止めることができたと聞いていたけど危険はなかったの?」
「もちろん危険きわまりない仕事でしたよ。百頭余りの暴走するラポウの群を俺達二人で止めようって言うんだから。バカ領主の私兵は何の役にも立たなかったし…でも、オスカー様は暴走するラポウの群からリーダーを鋭く見抜かれると、馬を駆って群につっこんでリーダーを追い立てたんですよ。そりゃ、もうカッコよくってほれぼれするくらいでした。陛下にもお見せしたいくらい…」
 こほんと咳をするロザリアに気づくこともなく、陛下は玉座から身を乗り出し
「そんなにすてきだったの?オスカー様は。」
と、すっかり女王と言うよりただの女の子になってるわ。
「ええ、剣を振りかざしてもむやみに傷つけるためじゃなく、脅しつけて群を押さえるためで…臆病な馬までオスカー様の闘気に取り憑かれたようで。そんなオスカー様はまさに炎の守護聖にふさわしいまさに軍神そのものでした!」
「きゃ〜、いいな、いいな。私もご一緒したかったわ。でも、オスカー様ってそういう方よねv」
 ほとんどオスカー様ファンクラブの如く、きゃっきゃと話に花が咲く二人を見ながら、ほとんど処置なしといった表情でロザリアは惑星カイサスからの抗議文をその細い指先でびりびりと破り捨てたの。

「どうしたんだ?今日は随分機嫌がいいんだな。」
 公務が終われば陛下とオスカー様はただの恋人同士。お部屋でくつろいでいらっしゃるわ。陛下はくすくすといたずらっぽい笑顔でオスカー様に近づくとオスカー様のお顔に顔を近づけて…キスでもする気か?いやに大胆だな、といった表情のオスカー様のお顔に……
「やっぱりオスカー様の方が100万倍…ううん、1000万倍かっこいいわv」
満足そうに笑った陛下がオスカー様に手鏡をわたすと、そこにはまっ赤なつけ髭をつけたオスカー様のお顔が映っていたわ。
「惑星カイサスの領主ってすごい悪趣味なお髭だったのね。でも、お髭を生やしてもオスカー様はとってもステキよ。」
 それがしたかったのか…と半分呆れながらオスカー様はしげしげと鏡と陛下の顔をかわるがわる見比べていたわ。そんなところがまた可愛いんだけどな、とフッと笑われるオスカー様は本当にかっこいい。陛下のお言葉のままですわ。

 ええ、まさにすべては陛下のお心のままに。

 

   

 

 

オスカー様の赤ひげ〜とんでもないものを描いてしまった気もするけど
オスカー様ただでさえ22歳に見えないのに…
でも、オスカー様ならおじいさんになってもきっとステキ!
紅い髪に白髪が交じってピンク色になったとしても
きっとかくしゃくたる老人になられているに違いないわ!

角川豆文庫は今回で完結らしいんだけど
高瀬美恵先生の描かれるオスカー様はとってもかっこよいので
すごい残念なのでした〜〜〜。しょぼん。

 

今月のオスカー様   トップに戻る