ツインコレクション「アルカディアの休日」

 

オスカー様のプロモーションビデオのもう一つのウリは

オリジナルストーリー「アルカディアの休日」なんだけど

観ていてムカついたのはあの小生意気な後輩の態度なのよ!

日頃、「オスカー様は俺の目標だ。」とか言っておいて

今回のあの態度は何!?

いちいち突っかかる言い方をするわ

オリヴィエ様のパシリならするけど、オスカー様のお使いはイヤだってーの!?

あと、オリヴィエ様をやたらよいしょしていたのはオスカー様へのあてこすり!?

そんな小生意気な後輩君の行動を星のささやきは見逃しませんことよーっ!!

 


 その日、俺はご機嫌だった。久々に休日が取れたのもうれしかったし、何と言ってもその休日をアルカディアで彼女と過ごせることがうれしくて仕方なかった。彼女は別宇宙でも女王として頑張ってるんだろうな。もちろん俺だって、風の守護聖としての職務はまっとうしてるさ。会ったらなんて言おう。「綺麗になったね、コレット。」とか言うべきなんだろうな。オスカー様だったらこの位さらっと言ってのけるんだろうけど…

 「オスカーさまって憧れちゃいますよねv」
 その瞬間、俺の気分はどん底に落ち込んだ。久々にあったコレットはぽーっと上気した顔で開口一番俺にそう言った。

  アルカディアでは俺の他にも何人かの守護聖が休日を楽しんでいる。大きな声では言えないけどオスカー様もリモージュ陛下と休日を示し合わせてとってるはずなんだ。
 「ここに来てすぐ、オスカー様とリモージュ陛下に偶然お会いしたんです。いつも公式の場でお目にかかるときは女王と忠実な臣下って感じですけど、今日はプライベートだからって…オスカー様ったら陛下の肩を抱き寄せていて、でもすっごい自然な感じでもうドキドキv陛下も幸せそうで、いいなあ、あんなすてきな恋人がいてv
  …?どうされたんですか?ランディ様」
 どうしたもこうしたも…そりゃあ確かにオスカー様は「騎士」って言葉が誰よりも似合う、陛下に対しての忠誠心も誰よりも強い方だ。女の子の扱いだって上手で俺なんかよりずっと大人で…
 「ごめん…コレット。俺、今日はもう帰らなきゃ。」
コレットが「どうして?」って顔をしてる。女の子にこんな顔させてしまうのは俺がいわゆるオスカー様の言うところの「坊や」だからで…ああ、ますます落ち込んできた…。

 次の日、俺はオリヴィエ様に頼まれて「天使の広場」で花束を買っていた。ティムカも一緒だ。ホントはこんなことしてる場合じゃなくてコレットに会いに行くべきなんだけど何となく顔を会わせにくくて、用事を頼まれたのをいいことにコレットと会うのを先延ばしにしている。
 「よお、ランディ。ご苦労だったな。」
 オ…オスカー様、なんでオリヴィエさまと一緒に…するとこの花束はオスカー様が…俺はむっとなってオスカー様が手を伸ばした花束をひったくるようにひっこめた。我ながら大人げない態度だとは思うんだけど…オスカー様はにやりとわらうと、いきなり剣を抜いた。オスカー様の剣の切っ先が俺の顔の前をちらちらする。ちょ…ちょっとオスカー様、確かに俺の態度も良くなかったけど、オスカー様も大人げないというか…
 「はっ!」
 オスカー様の剣が俺の持っていた花束を跳ね上げると、花びらが空を舞った。はらはらと紅い花びらが散って、俺の手の中に紅い花冠が落ちてきた。
 「好きな女の子にやるといい。相変わらずもたもたしてるからだ。好きな女の子がいるのに上手く伝えられない。横からあらわれた大人の男にかっさらわれても文句は言えないぜ。だから坊やって言うんだよ。」
 こういって、オスカー様はにやりと笑った。コレットが頭の中にぼんと浮かんで俺はいても立ってもいられない気になった。コレット…きっと、俺を待ってる。今ならまだ間に合うだろうか。走りだした俺はオスカー様を振り返る。
 「俺、絶対オスカー様には負けませんから!」
 「十年早いぜ、坊や」
十年か…でも、十年したら俺だって…
 「もっとも、十年したら俺はもっといい男になってるがな。」

 

 

 「ありがとうございます、ランディ様。」
コレットのうれしそうな笑顔を見るとさっきまでつまらないことでイライラしていた自分が可笑しく思えてくる。
 「とってもうれしいです。昨日は久しぶりにお会いできたのにランディ様すぐ帰ってしまわれたから、私何か気を悪くさせてしまったかと思ってどうしようと思ってたんです。ごめんなさい、私ってすごく鈍いらしくって、ランディ様お気を悪くされませんでした?」
 仲直りしたときのこのほっとするような安心感。心配そうに見上げる彼女が可愛くて俺はコレットをぎゅっと抱きしめた。(…なんだか、オスカー様みたいだ…) と、ちょっとだけ思った。

 はらはらと紅い花びらが降ってますわ。たたずむ陛下とオスカー様の上に風花のように。さっきランディの花輪をつくった時舞い上がった花びらが風に乗ってここまで届いたようね。それにしても、ランディ様ったら、いやにオスカー様に突っかかると思ったらこう言うわけだったのね。ほんと「坊や」なんだから。
 「ランディさまとコレット…仲直りできたかしら。」
 「単純だからな。あのくらいけしかけておけばまず大丈夫だろ。」
 「そうね。昨日はコレットがすごいしょげていたから、どうしようかと思ったわ。でも、ランディ様も可愛いわよね。もうちょっとしたらきっとすごくすてきな方になると思うわ。」
 あら、今度はオスカー様の方が黙りこくってますわ。
 「…何となく…ランディの気持ちもわかる気がするな…アンジェリーク、俺の前で他の男を誉めるのはちょっと勘弁してくれないか?」
 「いやだ、オスカー様ったら。」

 アルカディアの休日ははじまったばかりですわvうふふ、ランディ様も先輩カップルに色々教わってお幸せにね〜♪

 

おほほ、実は しまちあきはオス×アン第一プッシュの

レヴィ×エリ、ラン×コレなのよ〜〜。

あ、別にASUKAに予防線はって、

ランディ様にさっさと彼女を作りたがってるわけでは…げほげほ