ASUKA8月号

 

 

 ここはルヴァ様の第2執務室とも言われている図書館ね。以前はよくロザリアがやって来ては司書室でお茶を飲んだりしていたんだけど、このごろはとんとお見限りというか…なーんかぎこちないのよね。ああ、じれったいったらありゃしない。このサラ様に任せてもらえれば、ばばーんと呪い…じゃなくてラブラブフラッシュの一つや二つかけて差し上げるのに。でも、今一番必要なのはおまじないじゃなくて、相手の心を知ることなのよ。好きなら好きと言えないところがまたラブなんだけどね〜。ああ、甘酸っぱいったらありゃしない。

「よお、ルヴァ。」
 あらあら、まあまあ。ASUKA本編では全く影も形もなかったオスカー様。いつのまに司書室にいらっしゃったのかしら。
 オスカー様ったらぐるりと部屋を見回すと、棚の上に積んであった空き箱をひょいと取り上げられたわ。
「先日、青い瞳のお嬢ちゃんが大事そうに抱えていた包みはやっぱりここに来てたか。」
「どうしたんです、オスカー。やぶからぼうに。」
「実は俺は彼女、ロザリアに宣言していてね。その包みが俺以外の誰かへのプレゼントだとしたら俺はそいつと決闘しなくちゃならんとね。言っておくがおれは別にこの包みに入っていた菓子が好きだとかそんなんじゃないからな。」
「…はあ…」
「お前さんが相手だと念をおしておかないととんでもなおおぼけをかまされることがあるからな。
 だが、決闘の必要もなくなったみたいだな。戦わずして逃げるような相手では俺としてもはりがない。」
 これって…オスカー様、口調はいつもの軽口ですけど目は真剣だわ。
「ロザリアの気持ちを気づいていないとは言わせないぜ。気づいていながら女性の真剣な想いをかわそうなんて男として卑怯だとは思わないか?お前の気持ちはどうなんだ。まさか気づかないふりでこのままいい友人関係でいたいなんて思ってるんじゃないだろうな。」
「…オスカー!私は……彼女は女王候補で、それもおそらくこれまでにない高い資質を持った女王候補であると思っています。彼女はそう育てられてきたし、そう思っていることでしょう。女王候補である彼女の姿こそ彼女本来の姿であると。そんな彼女が私を慕ってくれているというのは…正直言って私はとまどってしまうのです。彼女の女王としての未来を、本来の姿を見失わせてしまうのではないかと…」


「だから俺とは勝負にならないと言うんだ。俺は本気になったら女王候補だろうが女王だろうが関係ない。惚れた相手がたまたま女王候補だっただけだ。そして、女王候補としてのお嬢ちゃんを女王になったお嬢ちゃんをその立場ごと愛し抜く自信がある。」
「オスカー…貴方は強い方です。しかし、私にはそのような勇敢さは…」
「よく考えてみることだな。あんがい青い瞳のお嬢ちゃんの方がお前さんよりずっと素直で勇敢かも知れないぜ。」
 そうおっしゃると、オスカー様は踵を返されたわ。しばらくうつむいて何事か考え込まれていたルヴァ様がその背中に目をやると、
「ありがとうございます、オスカー。」
と、小さくおっしゃったわ。どうやらなにか吹っ切れたようね。オスカー様は振り向きもせず手をひらひらさせて
「男に礼を言われる筋合いはないな。俺はすべてのレディに優しい男だがな。」
と、うそぶかれてますわ。
「あ〜本当ですね〜。でもおかげで何か吹っ切れた気がしますよ。オスカー、貴方は本当にロザリアを含めてすべての女性に優しい方です。もっとも本気の方には随分厳しいようですが…」
 不意をつかれてオスカー様がふりかえりましたけど、ルヴァ様はにこにこといつもの調子でご自分の言葉の意味も気づいていないようですわ。
(ルヴァの奴…おおぼけかと思えば、とんだところで妙に鋭くて気が抜けない…。本気の相手か…さて、どうしたものか…)
 すぐにいつもの表情に戻ったオスカー様ですけど、さすがに少し焦られたようですわね。
(俺をいい加減本気にさせてくれよ。俺は…女王候補としての君も女王となるであろう君も気に入っているんだぜ、お嬢ちゃん。)

 オスカー様の気持ちを気づいてか、気づかずか、ルヴァ様はロザリアからもらった菓子折の包みを大事そうに棚に戻されたわ。ルヴァ様とロザリアの恋の行方はまたASUKAを読んでちょうだいね〜。
 そして、オスカー様の想いの行方はまた星のささやきにお任せってコトかしら。

 

      

 

今月はロザリアが超かっこいい!
さすが、あんたさんは日本一の女王候補や!!
今この場で定期審査が行われ
「どちらの女王候補が女王にふさわしいかのべよ。」
と言われたら、まよわず貴女に投票するよ!
といったくらい、かっこよかった!
私がルヴァ様でもあのロザリアを尊敬し誇りに思うし、
ゼフェル様だったとしてもきっと彼女を好きになる。

女王になることを選びながらもそれでもルヴァを慕うというロザリア。
私の中のアンジェもオスカー様を好きでだから女王になっちゃったコなのだ。
好きな人のためにもがんばる女王様達は大好きです♪