ASUKA10月号

今月のASUKAはスペシャルショート8ページ

オスカー様はまったく一コマも出ていらっしゃいませんの。

先月の大盤振る舞いぶりを見ると

この先はたして何ヶ月沈黙されるのか先行きは不安だわ。

 

 

 ここは飛空都市、夜も更けてオスカー様のお屋敷の前にたたずむのは聖地の「ピーピングトム」マルセル様だわ。この小僧ったら、ヒマさえあれば館の厨房にでいりしてはそこのまかないの女性達の井戸端会議に参加して、いい加減な情報を仕入れては、あることないこと言いふらしているとんでもないガキ…おほほ、私としたことが、ついお下品な言葉を使ってしまったわ。なんといってもオスカー様を押しのけてランディ様とアンジェリークの間ををたきつけたのは他ならぬこのおしゃべりな緑の守護聖。(2002年 ASUKA11月号参照)その行動許すまじ〜〜〜!!!
 それにしても、このおしゃべりスズメがオスカー様のお屋敷に何の用かしら。

「マルセル、裏の窓を狙うんだ。 オスカー様のお屋敷は警備が半端じゃないからな。」
「こっそりやらなきゃ、罰ゲームにならないだろ。いいか、オスカーの屋敷から何でもいいから奴の女の証拠を握ってくるんだぜ。」
んまーっ、年少組の面々ったら、なにやら愉快な遊びをしているみたいね。オスカー様のお屋敷に忍び込むなんて恐いモノ知らずもいいところだわよ。

「しずかだなあ。」
オスカー様のお屋敷は静まりかえって人の気配もしないわ。
「オスカー様のお屋敷だから女の人とか結構いそうな気がしたんだけどなあ。なんたってあのオスカー様だもの。女の人が大好きでお屋敷には綺麗な女の人をたくさんはべらせてほとんどハーレムか後宮みたいな状態だって聞いたもの。」
…一体どこからそんな話を聞いたのやら。ウワサっていうのはどんどん尾ひれがつくものだけど、まあ、もともとゲーム中でも「人のウワサ」なんてぱっと見た目「なんじゃそりゃ!?」なコマンドがあるくらいだもの。もっとも、あの狭い狭い宇宙の狭い狭い聖地ではウワサくらいしか楽しみはないのかもね。…すごい、ヤな世界だわね………

「このドアかな…?『2002年』…?なんだろ、これ。」
マルセル様が「2002年」と書かれた表札のついたドアをを開けると、突然

「ぎゃーっ!!!」

がらがらと何かが音を立てて崩れ落ちてきたわ。どうやら部屋の中になにかが積み上げられていたみたいね。あっというまに崩れてきた荷物…包みに押しつぶされてマルセル様は気を失ったみたい。
「だから、もっと早くマルセル様をおとめすればよかったのです。」
「そういうな。飛空都市でも一番警備の厳重な俺の屋敷に忍び込んでくる度胸があったんだぜ。その度胸に免じて赤外線警報もレーザーも仕掛け扉も地雷も魚雷も、あらゆるセキュリティを解除しておいたんだ。あの部屋のドアの鍵だって当然解除になってたんだ。もう仕方がない。客間にでも運んでおけ。…そうだな、マルセルにはちょいと役に立ってもらおう。」
…オスカー様、はじめからお見通しだったのね。

「あれ?なんか甘い匂い…」
「よお、気がついたか、坊や。」
はっとなって、マルセル様は目を覚まされたわ。
「オスカー様、あの瓦礫は…部屋の中いっぱいに積み上げられて…」
忍び込んできた自分の立場も忘れてマルセル様がオスカー様に尋ねられたわ。
「あれはバレンタインにおくられたレディ達からの贈り物だ。」
部屋いっぱいに積み上げられた瓦礫と思われたものは瓦礫ではなくプレゼントの包みだった訳ね。すると、2002年というのは…
「あれは2002年の分だ。年ごとに部屋が分けてあってすべてきちんと保管してある。何と言ってもレディ達の心のこもったプレゼントだからな。」
すると、あの包みの一つでも持って帰れば罰ゲームは無事終了だった訳ね。でも、マルセル様の方はそんなことはすっかり忘れてしまっているようね。まさに3歩歩けばすべてを忘れるといわれるトリ頭。
「ディアに頼んでいくつかレシピを考えてもらったんだ。レディからのプレゼントは何千年かかろうがきちんと食べきらなくてはな。どうだ、味見をしていくか?」
オスカー様の合図で銀髪の男性がワゴンを運んできたようね。
「チョコレートケーキだ!」
目を丸くするマルセル様にお茶とケーキが渡されたわ。
「とっても美味しいです!オスカー様!」
「そうか、いくらでも食べていくといい。」
「オスカー様ってとってもいい方なんですね!それに女の方からプレゼントされたものをこんなに大切にしているなんて。ぼく、オスカー様を誤解していました♪」
すっかり甘い物に丸め込まれて上機嫌のマルセル様。


「よろしいんですか?オスカー様」
「かまわん。いろいろ屋敷の中を詮索されてまたあらぬウワサをお嬢ちゃんかランディにでも告げ口されたらかなわんからな。それより、子どもを懐柔するのはなんといっても甘いお菓子と昔から決まっている。それに…こうやって味方に付けておけば何かと好都合だろう。昔から強敵はこちらに付ければこんなに心強い味方はいないと言われている…」ほ…ほほほ…オスカー様、目が真剣ですわ…

 

      

 

それはそうとASUKAプレゼントのアンケートハガキ

「コミックアンジェリークの今後の展開について期待するものに○をつけてください。」

なんなの!?これ!?

ASUKA編集部…アンジェリーカーの動向を探り初めているのね!

もちろん「アンジェリークとオスカー様の交流が見たい」に決定よ!

これは某大手雑誌社の漫画家の友達から聞いたほぼ確実な情報ですが

雑誌のアンケートというのはもちろんすべて集計しているわけではないの。

母集団から一定のサンプルをとりだして全体を予想するのが統計の基本。

だから、週刊少年ジャ○プは発売初日のみ

月刊誌だったら発売から最初の1週間分のアンケートしか有効じゃないのよ!!

明日にもハガキを投函しなくちゃ!!