妻とふたり、諸国を旅する武芸者であった「父」は
王国の近くの野営地で魔王軍に襲われる。
出産間近だった妻とお腹の子供を殺され、自身も大怪我を負うものの、
王国の人々の介護の甲斐あって、命だけは救われる。
怪我の癒えた「父」は、 妻の仇の魔王軍に単身切り込んで、
魔王に深手を負わせ、魔王軍を撤退させる。

「父」は 王国の王の薦めもあり、勇者として王国に居住する事になるが
二度に渡る魔王との闘いで、身体も心も傷つき、鬱々と過ごしていた。

そんな「父」を見た 天界の王が、
「彼は本当に勇者と呼ばれるに相応しい男なのか」と 疑問に思い、
「父」の資質を計るため、自身の末娘を 彼のもとに「娘」として遣わした。
「娘」を立派に育てあげれば「魔王を打ち負かすに相応しい勇者」として認め、
育てられなければ「魔王を負かしたのは何かの間違い」と解釈し、
「あらためて魔王に地上界を与える…
すなわち、今一度 魔王に地上の民の殲滅を命じる」事を 前提として。